28 May, 2011

Facebookが日本で流行るかなんて正直どうでもよい(※個人的意見です)





ソーシャルメディアというものに関わる仕事をしているため、人に会う度に聞かれる質問に「Facebookは日本で流行るのか?」というのがあります。

人や時期によって、いろいろ思うところがあり、僕も必ずしも一貫した答えがあったわけではなかったのですが、徐々に自分の意見というものが固まってきたので書いてみます。

僕が最近思うのは(これはあくまで個人としての立場です。)はタイトル通り「そんなのどうでもいい」ということ。

その理由としてまず挙げられるのは、日本にはmixi、TwitterとFacebookがアメリカやその他の国で果たして来た機能、「人や情報をつながる」ということをやってきたサービスが既に存在している点にあります。それらに変わってFacebookが普及したところで、そのようなソーシャルメディアがなかった時代からの0から1への変化と比べれば、1が100になるという点だけでドラスティックな変化ではありません。(もちろん、それはそれで価値のある変化ではありますが。)

そういう意味で日本でFacebookが流行らなきゃマズい、とかその普及を支援したいとは特に思わないというのが率直なところ。


また、Facebookのマーケティング側にとっての魅力は国内における新たなマーケティング・ツールというよりもむしろ、グローバル・マーケットに入っていくためのメディアとなる点にあると僕は考えています。

なぜなら、Facebookは歴史上初めて、「世界中の人が共通して日常的に使う世界中で同一なコミュニケーション・サービス」となっているから。
これまでの世界というのは、人々が情報を取得するツールというのはそれぞれ全く異なる世界でした。例えば、日経新聞をインド人が読むなんて事はありませし、逆にル・モンドを読む日本人なども皆無に等しい。それは、どの英語で発信されているもの以外、全てのメディアに共通する点であり、英語の情報であっても英語圏以外での情報受信者は母国語のそれに比べて非常に少ない数に留まっていました。

Facebookはこの部分を大きく変えており、世界中の国境を超え延べ7億もの人がFacebookという共通のサービスを使って情報を取得しています。そして、共通のサービスであるがゆえ、例えば日本にいても中東をターゲットにした情報提供をすることができ、マーケティング・メッセージを伝えるためにそれぞれの国のメディアを研究し、交渉し、枠を買うなどということをする必要はなくなりました。


ちなみに、個人的に興味があるのはむしろ、「Facebookは日本企業に流行るか」という点。

なぜなら、日本の観光情報を紹介する「Visit Japan 2010」はシンガポール国内で最もファン数の多いFacebookページとなっていたり(→『JNTOが訪日旅行プロモーション再開 風評被害対策に重点[シンガポール]|AsiaX News』)、Satisfaction Guranteedが30万を超えるファンを獲得していたりと世界(特にアジア)における日本のブランド力は非常に強いものがあるからです。
現状のFacebookが日本国内でマイナーであるがゆえ、そこへの参入が遅れてしまうことの機会損失は非常に大きいものがあるため、なんとかその普及を進めていきたいところ。

また、個人としては徐々に企業の戦略が国内マーケットから海外への比重を強めていく中で、Facebookなどの重要性は非常に高くなると思われるので、しっかりとナレッジを持ち、実行までもっていけるような能力を身につけておくことが重要なのではないかと思っています。(最近でもコミューンのECサイト「FASHION STYLE JAPAN」がFacebookページのファン1万人をサービス開始1ヶ月で目指すというニュースがありました→『コミューン、海外向け日本のファッションECサイトプラットフォーム :ベンチャーニュース:Venture Now(ベンチャーナウ)』)

まだまだ専門家の少ないこのポジション、掴んでいけるよう頑張らねば:)


Kenichi Nishimura (@nike1125)をフォロー

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