22 February, 2011

FacebookとGoogleが対比される理由

最近、いよいよFacebookがとても騒がれるようになりました。
ネット上だけでなく、映画の影響でリアルな場でも。
(もちろん日本のユーザーは450万人程度でまだまだこれからですが。)

そんな中でネットを見てると、Facebookの台頭をGoogle時代からのシフトのように描き、対比する記事に多く出会ったのですが、なぜ比較されるのか分かりませんでした。

Googleは検索エンジンの会社でFacebookはSNSの会社ではないか、と。

その理由が、ループス斉藤さんのブログ,「なぜ、Facebookだけが、キャズムを楽々と超えるのだろうか?:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ」 をみて分かった気がしました。

Facebookのミッションは「世界をオープンにし,つなげること」ですが,そのためのアプローチが、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というGoogleのミッションに絡んでくるからではないか,と。

Googleは言うまでもなく、その技術で情報を整理し、その検索窓を通じて提供している会社。
すなわち、整然としていない世界を前提に検索技術によって整理を行い、アクセス可能で使用可能にしています。情報整理の背景となる考えは「多くリンクされる情報は重要」ということ。

一方、facebookはその実名制に則ったユーザーの行動範囲をfacebook connectという連携技術を用い、外部に広げていくことで情報を整理していく。(事実,アメリカの新しいwebサービスはほとんどこの技術を採用し,facebookからトラフィックとソーシャルグラフを引っ張ってきています。)
すなわち、友人関係というアクセス可能なソーシャルグラフを基盤に使用可能かつ整理された世界を広げていくというGoogleとは真逆のアプローチ。Facebookは「友人による情報は重要」という考えを基盤としており,ここでも異なる考えが採用されています。

Facebook以前のSNSもソーシャルグラフがあったはずで同じようなアプローチは可能だったはずですが、ユーザー数が少なすぎて現実味がありませんでした。
しかし、Facebookはその実名主義によって非常にsearchable(誰にでもアクセスできる)なサービスであったため、それによってネットワーク効果の威力がまし,ユーザーが6億人を超えたため、いよいよそのアプローチが現実味を帯びてきたのではないでしょうか。
だからこそFacebookは注目されており,同時にGoogleと対比されるべきなのかもしれません。

これからどうなっていくか注目したいところ。
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